ナショナルトラストのスコーンレシピ本、スコーン50種類全部作ってみる!
~⁂◆ひとりで勝手に50スコーンチャレンジ◆⁂~
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National Trust
Book of Scones
50 Delicious Recipes and Some Curious Crumbs of History
Sarah Clelland
さて、本日のスコーンは・・・
(18)Triple Chocolate Scones
~トリプルチョコレートスコーン~
まず初めにフィンチ・ファウンドリについて皆さんに伝えるべきは、ここが鋳造場ではなく鍛造場であるということであろう。
実際にここを訪れるまでは両者の違いは全く分からなかったが、今は分かる。
鋳造場は溶けた鉄を型に流し込んで製品を成形するのに対し、鍛造場は熱した鉄を叩き上げることで製品の形状に成形する。
フィンチ・ファウンドリ自体は1814年から稼働している施設だが、
このエリアでは700年ほど前から水車の動力を利用した産業が行われていた。
デヴォン製糸場が倒産したのを機に水車を利用した鍛造場がフィンチ家の管理の元、立ち上げられた。
彼らは大量の刃物等を作った。
コーニッシュフックやデヴォンポテトチョッパーなどユニークなデザインのものが作られた。
さらにはタイヤのパーツなど多岐にわたる商品を作製していた。
ピーク時には1日400種類もの製品を作り上げていたというから驚きだ。
フィンチ・ファウンドリは1960年に建物が倒壊するまで稼働しつづけた。
もちろん、ここで作られたツールは全て販売を目的としているため営業ルートも必要であった。
1822年にはウィリアム・フィンチの妻、スザンナを乗せる馬車がなかったのだが、
彼女は商品を隣町に売りに行くために、身重の状態で重い商品を運びながら30キロの道を歩いた。
彼女が帰ってきた時には商品は全て売り捌いており、また赤ちゃんも産まれて帰ってきた。
不思議なことにフィンチ・ファウンドリは19世紀中は子供達を乾かす場所として近所の人たちから愛用されていた。
遊びまわってずぶ濡れになった子がいたりすると、フィンチ家にその子を行かせ、
鋳造場の熱で乾かしてあげてください、とのメモを持たせていた。